<見台・膝隠し・小拍子>
上方落語には、関東/江戸落語にはない小道具が用いられます。
見台(けんだい)、膝隠し(ひざかくし)、小拍子(こびょうし)等です。
かつて上方落語のルーツは屋外での辻噺(つじばなし)と言われています。
まさに、不特定多数の通りすがりのお客さんを相手に、この見台をガチャガチャ叩いて、お客さんの気を引いたものです。
これが、今日でも引続いて使用され、噺のイメージを高めたり、小拍子の音による場面転換に用いるなど、重要な役割を担っています。
……この小道具をテーマに順次、記載していきます。
(2)見台、膝隠しイメージ
なお、見台、膝隠しが目立つとお客さんが話に集中できませんから、その色、形状は余り奇抜なものは避けるべきでしょう。
(5)加工、組み立て
(2)見台、膝隠しイメージ
基本的には、前に置いた膝隠し越しに、客席から見台の天板(上の板)の端が見える高さというのが標準です。
なお、見台、膝隠しが目立つとお客さんが話に集中できませんから、その色、形状は余り奇抜なものは避けるべきでしょう。
また、見台は両手をついて体重をかけることも多いので出来るだけ丈夫な構造と必要があります。
(3)見台の構造・寸法
特に難しい構造ではありあせん。見台と言う名前から分かる様に、書物を乗せるべく、平らな板(天板)の下の左右に、足となる板(脚部)を取り付けた構造です。
寄席会場などで、常時おいて置くものは、足が固定されていますが、落語会などへの持ち運びをする見台は、足の部分が折り畳まれ、平らになるようになっています。
寸法は、天板が横長さが50cm程度、奥行きが25~30cm程度、高さは使用する状況にもよりますが、30cmは欲しいところです。
(4)見台の材料
見台に使用する木材は自由に選んで問題ありません。ただ出来れば、正目(木材の表面のすじが、真直ぐに入ったもの)の木材が好ましいと思います。
最近は集成材も数多く出ていますが、つなぎ目が目立つものも多く、最終の色仕上げがうまくいかないものもあり、購入の際には確認が必要です。
板厚は15~20mm程度あれば十分です。持ち運びの重量を考えると12mm位のものも良いと思われます。
(3)見台の構造・寸法
特に難しい構造ではありあせん。見台と言う名前から分かる様に、書物を乗せるべく、平らな板(天板)の下の左右に、足となる板(脚部)を取り付けた構造です。
寄席会場などで、常時おいて置くものは、足が固定されていますが、落語会などへの持ち運びをする見台は、足の部分が折り畳まれ、平らになるようになっています。
寸法は、天板が横長さが50cm程度、奥行きが25~30cm程度、高さは使用する状況にもよりますが、30cmは欲しいところです。
(4)見台の材料
見台に使用する木材は自由に選んで問題ありません。ただ出来れば、正目(木材の表面のすじが、真直ぐに入ったもの)の木材が好ましいと思います。
最近は集成材も数多く出ていますが、つなぎ目が目立つものも多く、最終の色仕上げがうまくいかないものもあり、購入の際には確認が必要です。
板厚は15~20mm程度あれば十分です。持ち運びの重量を考えると12mm位のものも良いと思われます。
(5)加工、組み立て
素材木材の加工・切断には、通常は一般的な「のこぎり」を使用すればよいが、断面形状、直線加工の容易さを考えると小型の電動丸ノコの使用もよいと思います。
表面仕上げには細かな紙やすりを用いますが、表面加工をしている集成材などでは、無理な磨きをかけると、仕上げ塗装の段階に影響が出るので注意が必要です。
組立には、木工用の接着剤を使用しますが、作業性、強度確保の観点からは、木工用の「瞬間接着剤」と木ネジを併用すれば、更に強度を高める事ができます。
(6)仕上げ
最終仕上げは、無垢のまま、つまり木材の地肌を生かして、そのまま仕上げることも良いですが、表面的な美しさ、地肌の保護を考えれば塗装仕上げが好ましい。
ただ、ペイント、ラッカーニスのような塗装は避けるべきで、できれば、オイルステイン、オイルワックスといった、木材の表面から浸透し、保護層を形成する表面処理を行う事がよいでしょう。あとは、布でよくカラ拭きを行うと、しっとりとした落ち着きのある表面に仕上げることができます。
*これまで見台などを数多く作成し、アマだけでなく、プロの方にも使用いただきました。作成については、それなりのノウハウが必要で、見栄えのある仕上りを得るには難しいかもしれません。ただ、趣味の世界で楽しむのであれば、あまり細かい事は考えず、気楽に作成し・使用できれば良いと思います。(天満家哲ちり)
(7)膝隠しの構造・寸法(基本)
見台の前に置いて使用する膝隠し。見台以上にお客さんの目につく小道具です。
いわゆる「衝立」そのものであり、それなりの構造、形状を整えるべきです。
最も簡単な膝隠しは、一枚の普通の板の下部に左右2カ所、脚部とつけたものです。
板の寸法は幅80~90cm程度、高さは26、27cm程度が標準になります。厚みは1cmもあれば十分です。
これにつける脚部は長さ15cm程度、高さ2~3cm 、幅は3~5cmもあれば十分でしょう。脚部は上部の板と直角になるように木ネジ等で固定すれば完成です。
なお、仕上がり状態での全体高さは、客席から見台の天板の端が1~2cm見える高さというのが標準です。
(8)膝隠しの加工1
普通の板に、簡単な脚を付けただけでも、充分に使用できますが、見栄えのある膝隠しの形状にしたいものです。
まず、板の部分ですが、凹の形状の枠で板の外周を飾るだけで、グッと感じが変わります。凹形状の木材は普通の画材店の木材売り場で購入できます。またホームセンターにも置いているものを使って下さい。四隅は45度に切断し、それぞれを角でつなぎ合わせます。接着には木工ボンドで十分ですが、場合によっては瞬間接着剤を併用して下さい。
脚部は単純に角材を切断するだけでなく、電動ルータ(隅加工、溝斬り)などを用いて端部を削るのも良いでしょう。
(9)膝隠しの加工2
写真の様に、下辺の枠を横に伸ばして安定した形にすると、なお良くなります。
よく、一般の落語高座で用いられているものはこの形状です。
脚部も幅広な安定したものが望ましいと思います。ただ、全体の重量が増加してきますので、この点は考慮すべきです。
(天満家哲ちり)
表面仕上げには細かな紙やすりを用いますが、表面加工をしている集成材などでは、無理な磨きをかけると、仕上げ塗装の段階に影響が出るので注意が必要です。
組立には、木工用の接着剤を使用しますが、作業性、強度確保の観点からは、木工用の「瞬間接着剤」と木ネジを併用すれば、更に強度を高める事ができます。
(6)仕上げ
最終仕上げは、無垢のまま、つまり木材の地肌を生かして、そのまま仕上げることも良いですが、表面的な美しさ、地肌の保護を考えれば塗装仕上げが好ましい。
ただ、ペイント、ラッカーニスのような塗装は避けるべきで、できれば、オイルステイン、オイルワックスといった、木材の表面から浸透し、保護層を形成する表面処理を行う事がよいでしょう。あとは、布でよくカラ拭きを行うと、しっとりとした落ち着きのある表面に仕上げることができます。
*これまで見台などを数多く作成し、アマだけでなく、プロの方にも使用いただきました。作成については、それなりのノウハウが必要で、見栄えのある仕上りを得るには難しいかもしれません。ただ、趣味の世界で楽しむのであれば、あまり細かい事は考えず、気楽に作成し・使用できれば良いと思います。(天満家哲ちり)
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(7)膝隠しの構造・寸法(基本)
見台の前に置いて使用する膝隠し。見台以上にお客さんの目につく小道具です。
いわゆる「衝立」そのものであり、それなりの構造、形状を整えるべきです。
簡単な構造の膝隠し(脚部) (作例は板を枠にはめた形状のもの) |
板の寸法は幅80~90cm程度、高さは26、27cm程度が標準になります。厚みは1cmもあれば十分です。
これにつける脚部は長さ15cm程度、高さ2~3cm 、幅は3~5cmもあれば十分でしょう。脚部は上部の板と直角になるように木ネジ等で固定すれば完成です。
なお、仕上がり状態での全体高さは、客席から見台の天板の端が1~2cm見える高さというのが標準です。
(8)膝隠しの加工1
普通の板に、簡単な脚を付けただけでも、充分に使用できますが、見栄えのある膝隠しの形状にしたいものです。
まず、板の部分ですが、凹の形状の枠で板の外周を飾るだけで、グッと感じが変わります。凹形状の木材は普通の画材店の木材売り場で購入できます。またホームセンターにも置いているものを使って下さい。四隅は45度に切断し、それぞれを角でつなぎ合わせます。接着には木工ボンドで十分ですが、場合によっては瞬間接着剤を併用して下さい。
脚部は単純に角材を切断するだけでなく、電動ルータ(隅加工、溝斬り)などを用いて端部を削るのも良いでしょう。
(9)膝隠しの加工2
写真の様に、下辺の枠を横に伸ばして安定した形にすると、なお良くなります。
よく、一般の落語高座で用いられているものはこの形状です。
脚部も幅広な安定したものが望ましいと思います。ただ、全体の重量が増加してきますので、この点は考慮すべきです。
(天満家哲ちり)